権力分立・地方分権とは何か

1999年10月09日

by FUJI

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地方分権とは何か。この点について、あまりにも国民の間に誤解が多いのではないか、と思います。「分権」とは、決して「効率を上げるための仕組みではない」ということが浸透していない、むしろ、「役割を専門家が分担して効率を上げるための仕組み」であると理解されている節がある。学校でも三権分立とは何か、ということが大学の法学部にでもいかない限り全くといって教えられていない。

「分権」とは、人間というものは、権力を握ると必ずそれを濫用するおそれがある、だから、権力を複数の機関に分割して、互いに抑制・均衡させることで、権力の暴走を押さえようという仕組みであることをもっと、広く周知していくことが必要であると考えます。

近視眼的には、それこそ、東京一極集中が、実は、効率がいい(というか、現在の「知恵の時代」にはいるまでは効率が「よかった(過去形)」)。実際、戦時中にとられ、戦後も延々と続けられたこの仕組みは高度経済成長を支える原動力になった。しかし、バブル経済を経験して、この仕組みはいったん崩れると、とめどもなく腐敗に突き進むという危うさをも持っていることを日本人は身にしみて知らされたわけです。

首都機能移転に反対する意見の中には、効率がどうのこうの、というものがありますが、これでは、議論が噛み合うわけはまったくないのです。そもそも、それは、あとからついてくる議論だからです。

むしろ、現在の東京は「集積」を通り越して「過密」のために効率すら、ガタガタになっているという点も見逃してはなりません。コンピュータでいえば、物理的特性を無視して「集積」した結果、配線がショートしている状態なわけです。しかし、これは、議論のすり替えか、誤解か、勉強不足がよく分かりませんが、重ねていいますが、権力分立・地方分権とは、次元の異なる話で、議論が噛み合うわけなど、最初から全くないのです。

首都機能移転が地方分権を進める上でベーシックな位置なあることを国民全体に理解してもらうためには、まず、権力分立とはなにか、地方分権とは何か、から、きちんと、国民に啓蒙していく必要があると感じています。


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