道州制だけの導入は逆効果
1999年10月09日
by FUJI
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首都機能移転をめぐる論点の中には、道州制を導入すれば地方分権が進むから、首都機能移転は必要ない、というものがあります。
しかし、これは現状を全く無視したものだと考えます。
現在、東京都だけで1000万人、首都圏をあわせれば3000万人強の住民がいるわけです。
すなわち、首都圏を抱え込む「関東州」は、人口だけ見ても、全国の実に25%のシェアを持つ巨大広域自治体になります。
これが何を意味するのか。それは、関東州がその「規模の利益」を発揮して、ますます、ヒト、モノ、カネを集め、逆に、北海道や九州・沖縄といった、道州は、ますますやせ細っていく仕組みを作り上げるということです。
現に、分割後のJRやNTTで、この現象が起きているではないですか。
地方分権を進めるために導入された道州制が、なんと、関東州以外の道州の活力を弱め、逆に地方分権を大幅に減退させるという「皮肉」な結果をもたらすのです。
これを避けるためには、東京と畿央の二極体制を首都機能移転によってつくり、さらに、高度な交通・情報インフラによって多極分散国土構造に発展させていくことで、各道州が、ヒト・モノ・カネで自立していけるような体制を道州制導入の「大前提」としてつくる必要があると考えます。
首都機能移転をしなくとも、道州制を導入すれば、地方分権は進むというのは、失礼ながら、全くの「机上の空論」であると考えます。