国都創造 畿央に託す私達の願い

国政都市.畿央の創造

by 前原先生とそのメンバー七人

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提唱者グル−プ(アイウエオ順)

高田 博文(機械設計技師)、寺田 秀興(脳神経外科医師)、林 詢(NPO)、
平井 信夫(弁護士)、前原 仁幸(弁護士)、 松本 克巳(団体役員) 、山本 秀策(弁理士)

大阪市北区天神橋2−4−17千代田第一ビル9階 前原法律事務所


◎ 国政と経済の分立運営

  1. 東京…国際経済首都(首都)
    畿央…国政中枢都市(国都)
       国民総隷従化.中央集権体制からの脱却

  2. 経済首都.東京
       @.国内経済の循環駆動力源
       A.国際経済の集約拠点

  3. 国政都市.畿央
       内外の国政の中枢機能.小さな集約体制

  4. 権力で資金.信用を創造して、経済の循環に対応すると、権力.制度私物化に繋がり、
       @.税制運用に情実.弛緩が入る(国民3人に1人は税免者他)
       A.政.財.官のムサボリ型癒着を定着する
       B.経済の不活性.不健全を助成する
       C.国際的な労働力生産性競争に敗退する
       D.経済循環不全.動脈硬化で不景気が定着する
       E.膨大な財政赤字を産み、現在1人当たり500万円の負担

国政都市.畿央の立地

@.国土の中央部 国土西半分のセンタ−

A.高原状.盆地 60万〜100万都市創造に適する

B.中京圏都市集積と関西圏都市集積の共用

C.気候. 風土穏和で地震. 風水害. 火山灰など災害危険少ない

D.大阪湾. 伊勢湾の共用

E.中京〜畿央〜京阪神〜大津〜岐阜〜中京環状新幹線

F.文化観光資源 (歴史的自然風土の文化と京阪神瀬戸内域更に北陸地など

国政都市創造の国益

@.国政中枢機能
    国会(立法) 内閣(行政) 最高裁判所(司法)

A.地方調整機能 住民主権の組織化と活動の策定

B.経済調整機能 民間経済活動の活性化確保

中央集権体制の閉塞解決

@.東京1割人口の防災.防衛上の危険

A.国政機能の整理.整合

B.地方活性化の起爆剤

C.国内民間経済活動の循環系確率

D.中産階層の崩壊と犯罪社会化の防止

 昭和30年代以降、東京の過密集積が異常病疾的に進行する現実を眼のあたりにして 早くも先駆者の間で首都移転論が唱えられるに至りました。この当時の首都移転論は 首都人口の過密集積に関東大震災級の及ぼす災害危険に備えることが中心でした。移転候補地としては案外東京近郊(北関東那須、富士山麓、浜松周辺など)が挙げられました。その後首都移転論は財政事情、経済事情などで強弱があり、また移転候補地も二転三転し、また首都移転の考え方も移転(遷都)、分都、展都、改都など幾つか発表されました。これらには東京の旧態を一部或いは全部、そのまま受け継ぐ発想が共通しています。

 国政都市.畿央はこれ迄の首都移転とは ハッキリ一線を画しています。東京の現状をそのまま引きずる構想ではありません。現東京は現代国家の国政機能をなしていません。そこで、21世紀を迎える上で、現代国家の国政機能を整理.集約した都市を創造すると言う発想です。 これまでの首都機能移転は東京中央集権制のそっくりそのまま移転する構想が中心の 柱になっていますが、国政都市の創造では国民主権制に立脚して、東京中央集権制を 反省し、整合している構想です。国民主権制は大きく、@.国政主権、A.住民主権、B.経済主権 にわけて考えます。国政都市の創造は国政主権を運用する都市機能の創造です。都市機能の創造ですから既存の機能で良いと言うわけにはいきません。中央集権制で、人、物、金、力など東京に集中したあり方に、今東京に集中できない機能をハッキリして、国政として、運用できる部分に搾ります。住民生活の部分と、民間経済の部分をハッキリと排除した仕組みです。

 住民生活は地方に密着しますから、中央の集中.画一した制度で運用しないで、地方住民の意思と行動に任せ、この部分を取り扱いません。地方の住民生活を中央で管理すると、全国的な画一基準で律しますから、地方住民の生活実態に適合しないで、差別が避け難くなります。例えば、亜熱帯気候の沖縄と阿寒帯気候の北海道とでは土地の広狭に大きなヒラキがあるのみならず、気候.風土の差異は歴然としています。その上、人口密度も異なる他、土地利用.生活風俗なども自ずから差異が生じます。居住者らの生活意識も違いますから、東京の生活感覚で沖縄、北海道の住民生活を考えても、机上の空論に陥る事必至でしょう。そこで、現地の生活.産業の便益.福祉は現地の判断で行っていくという住民自治の発想が生じ、住民生活は一面住民自治であり、住民の基本的人権の制度ですから、国政の立場でこれを無視.侵すことは誤りです。

 住民自治として現地住民の生活.産業の便益.福祉を運用することが、住民主権の制度です。このために地方区割、財源充実など考慮すべきです。住民自治の範囲としては日本の現在人口1億2500万人で、住民の地方単位としては500万人以上800万人程度で考えるべきでしょう。アメリカは2億7000万人で50州 ですから、1州平均540万人となっているのが参考になります。あまり過少であると自主財源に困窮しますし、また過大であると、財源運用の不透明をどうしても生じます。日本列島が南西.東北の方向に細長い弓型状ですから、これを人口500万人以上800万人でくくるとして、

@.四国、北海道はそれぞれ1単位

A.原則として本州、太平洋側.日本海側を一体化する方向で統合する。

B.九州は南部地域、北部地域で結合する。

など、一案でしょう。

 道州制ですと、財源力豊かな道州と そうでない道州の差がハッキリする上、関東圏、関西圏などは人口過多.財源不透明に繋がるのみならず、現実に住民来往の沿革など入れて府県制をべ−スに出発するのが、人口中心に進める制度であります。表日本、裏日本で一体化すると、財源の不均等化が全国的に柔らぎます。

 今迄、固定資産税が地方税収の中心でしたが、この固定資産中心税制は破綻しています。戦後の中央集権強化.地方過疎化に伴って、地方固定資産は評価が大都市圏に比較して低迷し、地方不活性化に拍車をかけたことは否定し難いでしょう。即ち、固定資産中心主義は必ずしも民間経済の波に一致しませんから、最早これに手頼るべきでないと言えます。大都市圏は共通して或る程度広やかな平野部河川域に位置し、生活上.経済上便益が大きいのですから、利用度好条件の土地保有にはそれに相応した国土保有.利用の税制を考えるべきです。即ち土地税制の累進化で、国税として運用します。替わって地方現地に密着した経済活動を税制にする場合、地方税として 運用する仕組みです。

 経済主権は国の権力でどうにもならない経済合理性が働く生活分野です。先ず、国は経済活動ができるのかといった疑問があります。税制で財政を保持するのですから、国は経済活動は憲法上許されないことになります。税収で経済活動を実施すると、経済合理性が働かなくなり、財政破綻します。国が経済活動ができると、経済活動で収益を挙げて、国民を無税扱いしたら良いのですが、経済活動が出来ないから、収税制があるのです。国が多額の財政赤字を背景にして、公共投資に回すと投資金の回収負担がありますから、どうしてもコスト高経済になって、民間経済の競争力を劣弱化することになります。コスト高経済は悪循環して、徐々に日本経済の体力を弱めているのが現実でしょう。

 公共投資.補助金などは民間事業者.地方自治体でその損益の危険を負担させないと、これを一般化すると、コスト高経済の悪循環に陥入り、どうにもならなくなっているのが現況でしょう。

 東京中心の中央集権−一極集中制は日本がいまだ前近代的な貧しさを現在まで引きずっている象徴であるといえます。どうしたら、前近代的な貧しさから脱却して、国民一人、一人が真の豊かな生活を確立できるのか、ここに東京中心の中央集権.一極集中制をなくして、改革.維新を目指して

@.地方活性化分権

A.国政中枢都市の創造

の大きなうねりが生じてきた背景があると考えられます。

 東京中心の中央集権制(一極集中)は税源制の合理化として国税.地方税体系の見直しを 実施して、人口の地方分散化を誘導することが必要です。東京を中心に、大都市型居住空間の 無機的といってよい生活空間は、無駄をなくし、合理的である反面、日常生活で土と水と緑の融合に欠如して、生活の情操感.ゆとりをなくしました。

 地方の範囲は500万前後〜800万人の範囲として、日本海.太平洋側をひとくくりする整理を実施します。

概区割

都道府県名

  概区割

都道府県名

南九州地区 沖縄.宮崎.鹿児島   東海北陸 岐阜.石川.富山
中央地区 熊本.大分.長崎.佐賀   東海南部 静岡.山梨.長野
北部地区 福岡   関東西部 神奈川
四国地方 香川.徳島.高知.愛媛   東京圏 東京
中国地方 山口.広島.島根.岡山.鳥取   千葉圏 千葉
近畿西部 兵庫   関東東部 茨城.栃木.群馬
近畿北部 京都.福井.滋賀   埼玉圏 埼玉
近畿南部 奈良.和歌山.三重   東北南部 福島.新潟.山形
大阪圏 大阪   東北北部 岩手.秋田.青森.宮城
東海西部 愛知   北海道 北海道

 地方は過疎と土地評価低落のために、益々活性化が損なわれてくるので、固定資産税を 国税にして固定資産土地税制は国土の保有.利用税として国全体として均衡をはかる運用をする。

試算表
価格帯(一坪当たり);円 税率;%
20万以下 0〜1
20万超〜50万まで 1〜2
50万超〜100万まで 2〜3
100万超〜200万まで 3〜4
200万超〜500万まで 4〜5
500万超〜1000万まで 5〜6
1000万超

 累進税率適用で、土地所有の不平等の解消をはかると同時に大都市圏から地方圏の産業分散.人口分散をはかり、地方活性化する。個々の経済活動を税源とするものは地方に配布.分散する。地方交付税、財政投融資、補助金など不合理.重複の無駄をなくす。巨大財源は不透明化するのみならず、利権.癒着の温床や背景になります。更に、国税を国の利益と必要に使わないのは納税者国民を愚弄しています。納税者を個人として尊重する必要があります。

 1、2年東京の人口集中が再開してきました。石原都知事は首都機能移転反対を公言していますし、埼玉県南部東京隣接域には副都心型公官庁整備が着々と進み、総理官邸新築も実施段階に入りました。

 他方、国会移転審は最近これ迄の三区分を更に手直し変更しました。また、地元大阪で国政レベル、自治体、経済界、更に民間の合同決起集会も企画されている由に聞きます。

 このような情勢で、首都移転はどうなるのでしょうか?

  1.  これまで、私達は首都移転と違って、国政都市の創造であると主張してきました。国政都市の創造は国政レベル、国民レベルの問題ですが、首都移転反対は都民レベルに止まりますから、国政を左右する要素とは整合しません。

  2.  国政機能、民間経済、住民自治が中央集権体制で、癒着して、内部で馴合.利権、不正、汚職などが当然の慣行までになっています。これは最早首都というには余りに醜悪で犯罪都市化しているということができます。内部では麻薬慣用と同じで麻痺して、真実が見えなくなるのです。

  3.  明治以後の中央集権は地方からヒト、物、金、権力の流れが東京に終着.集結して、反対方向の地方への出がなくなっていることは、経済循環を拘束して、不況、不活性となっています。

  4.  東京集中で国土利用の不均衡が生じているのに、土地税制は全国ほぼ均一ですから、地価低落、過疎の背景で地方活力を更に低下しています。このままでは閉塞.停滞感は一層強まり、悪性腫瘍化します。土地税制を国税化して、その効用に見合う累進税制が必要です。

  5.  東京集中に流れるサラリ−マン層のため持ち家政策を実施せざるを得なくなった結果、その所得高となる人件費増、累進減税などのために企業は不要経費を負担するに至り、長期の低迷の平成不況に陥り、解決の出口が見えない。

  6.  勤労所得税の年数に応じた逓減性や現地経済活動を源泉とする現地税が必要です。勤労年数に応じて、勤労所得税の税率を漸減する。

     当初10年位まで累進するが、その後は漸減していき、50年才位で税金なしとす。逓減税制例 (減税率は種々考えられる。) 累進税は人の人格やその発露である努力を税源にする点で、納税者を個人として尊重していない憲法違背がある。

       就職時;30%
       二年時;29%
        ・
        ・

     例えば500万年収者は就職時20才(短大卒)では税金150万(手取り350万円)であるが、30年勤務では税率0%であるから500万手取りとなる。

     逓減税率性のメリットは

      @.企業がベアを実施しなくても手取り額は税率減で、その部分手取り増となる。
      A.他方、企業はベアをしなくても手取り増となるし、税源の経理負担が軽減する。
      B.企業収益.経理の運用負担を軽減するなど。
      C.安易な税収に依存しなくなる。

  7.  逓減税制と併せて、人件費の適正合理化を実施する。

  8.  固定資産税の全国一律と、勤労所得税の累進制、更に労働制度運用の人件費適正合理化現地税導入などが、国政の透明化をはかり、中央集中体制の歪みや東京犯罪都市を解消するキ−である。現税制は国政の利益と必要以外、これを外れた公共投資、財政投融資、補助金、地方交付金などに使用され、納税制の範囲を逸脱している。

 国政都市の創造については、何を今更東京から首都機能移転の必要があると、反対する意見も根強いものがあります。

 考えてみますと、現東京首都は日本で最大の関東平野の湾口部に位置し、立地的に見て最適状態にあることは否定できないものがあります。のみならず、諸他の気候.風土.運輸などの便益を考えてみますと、益々首都機能移転の利益と必要は弱くなります。しかしながら私達は立地として最適場所の東京首都機能でありますが、その首都機能の解消を主張してやまない者であります。

 国政の首都移転論が生じてきた理由を挙げますと、@.過密、A.災害、B.非効率などに 要約できます。これらは或る程度重なり合っていますが、大体これらが首都移転必要論の主要な側面です。ところで、前述した東京首都の立地的最適性を理論的根拠にして、現在の首都移転論には、その利益や必要などの政治哲学がまだ確立していないという批判があります。それで以下に検討します。
国民には、明治以降の中央集権を柱にした東京政府のあり方に、ストレスと閉塞感が溜まってきている現況があります。国民の眼には権力を私物化して、癒着、馴れ合い、利権、汚職、不正の悪性腫瘍疾患の東京政府として映っています。

 さて、現在の日本の国政では、国民を統合する権力機関がありません。

@.天皇は国政上の 非権力機関です。

A.内閣は議院内閣制ですから、国会に責任を負います。

B.国会は国民の選挙により運営されますが、国政選挙は国全体の立場と違って、地方利益制、地方代表制です。

 以上の結果、国民の統合を指導.統轄する権力機関が存在しない、空白域が生じます。ところで国家である以上は、国民の統合が必須の要請ですが、国民統合を指導.統轄する大統領制.国民主席制などの様な権力機関がありませんので、その作用.機能を行う働き.仕組みが当然に発生します。それで中央集権の癒着体制が国民統合の指導.統轄を代償する仕組み.働きとして、東京政府で実施されることになるのです。このような機能や実力の行使には憲法的な定めがありませんから、これをどう国政的に評価するのか、その良.否、善.悪、正.否を判断分析できなくなります。ここのところが東京政府の不純.不透明な暗闇の個所として指摘できてきます。

ここまで考えますと、東京一極集中の中央集権型国政をどう運用したらいいか、その将来点をはっきり自覚できます。即ち、国政都市の創造です。国政都市の創造は明治以降定着した中央集権東京政府の暗部を純粋.透明化し、権力を私物化した国政を正姿に戻すために、特に国政と経済の分離.分立を中心の柱に据え、国民の全国的公平さを目指した地方活性化分権の構想が浮かび上がるのです。

国会等移転審議会は平成11年12月20日、同会の答申がありました。

その要旨は

 −−というものでした。

  1. 「栃木、福島地域」は現東京から更に北東の日本国土の北北東方域に偏り過ぎて、国土の均衡した発展を期待出来ません。国民は均衡破綻した同地域を選定する可能性は絶無と言って良いでしょう。

  2. 「岐阜、愛知地域」は400年以前この同地域、三河出身の実力者.徳川家康が中央政庁の所在場所としては放棄して江戸開府したことは歴史が物語っている通りであります。「岐阜、愛知地域」の選定は徳川家康の放棄した場所を推挙するという内容になってしまいます。

  3. 「栃木、福島地域」「岐阜、愛知地域」は共に「畿央地域」と比べると国の歴史経過が薄いと言わねばなりません。場所、歴史などは経済条件に代え難い性格があり、今回の答申は歴史を放棄しろと言う事に繋がってきますが、国政都市は国際社会で国民の誇りが持てる場所を選ぶという知恵も必要でしょう。

 「三重・畿央地域」は東京と直結した高速交通網の便宜が無い為、答申では北東地域 、東海地域より実現の可能性に乏しいものとなりましたが、

  1. 国政都市の創造には当然、高速交通網の整備、充実を含む

  2. 沿線住民は高速鉄道導入期待の機運が高まっている

  3. 名古屋、桑名、四日市、亀山、畿央(上野)、奈良、大阪の各点を連結して東海道新幹線ともリンクさせる環状新線は京阪神圏、瀬戸内圏を擁して国際文化、観光に資する

など考えますと国政都市・畿央は諸の他の地域に比較して歴史、場所の2点で圧倒的優越性があります。

 今後、国政都市・畿央を断念すべきではないでしょう。


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