首都機能移転は数百年の単位で考えるべき

2002年05月08日

by OUTSIDE

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首都機能移転は国家百年の計であり、数年、十数年の単位でなく、数百年の単位で考えるべきです。不況であるとか、財政不足だとか、そんな小さなレベルではなく、もっともっと大きなレベルで考えるべきなのは言うまでもありません。

首都機能移転は万博と違い、一過性のイベントでもなければ、今日明日に行われるようなものではなく、実際に首都機能移転が行われるのは今から数十年後であり、そしてその新首都は、その後、数百年間も続くことになります。移転先候補地の選定にあたっては、今現在の現状の視点だけで考えるのはまったくナンセンスであり、何十年、何百年先を見越した、大きな視点で考えるべきです。

国会等移転審議会の答申で、三重・畿央地域は「他の地域にはない特徴を有しており、将来新たな高速交通網等が整備されることになれば、移転先候補地となる可能性がある。」とされましたが、数百年のスパンで考える時、高速交通網の問題はまったく障害になりません。新首都が街開きされるのは早くても数十年後なのですから、それまでには新たな高速交通網が整備されるでしょう。

三重・畿央地域は、他の候補地に比べ、交通アクセスの将来性が最も高い場所です。リニアの予定線上にあり、今はまだリニアはできないかも知れませんが、リニアのない100年後の廃れた日本など想像できるでしょうか。今すぐリニアができなくても、数十年のうちにリニアができればそれでいいのです。

また、畿央地域は、太平洋側からだけでなく、日本海側からも便利な場所です。北陸新幹線を米原経由で建設し、その先を東海道新幹線の支線として畿央新都市に伸ばし、さらに関西国際空港、紀淡海峡を通って四国方面へ延伸することも考えられます。

現状の交通アクセスだけで考えるのではなく、数十年、数百年先の交通アクセスやその可能性で考えれば、畿央地域が全国から大変便利な場所になるのは間違いありません。

一方、他の候補地は、現状の交通アクセスはある程度便利かも知れませんが、将来の可能性を考えれば、限界のある地域であることは否定できません。

数百年の単位で考えるとき、栃木・福島地域については、那須岳などの活火山が存在しています。現在は噴火の危険性はないかも知れませんが、新首都は今後数百年間も続くことになるのですから、数百年のうちには必ず噴火するでしょう。

同様に、岐阜・愛知地域には活火山の御嶽山があるほか、東海地震の震源域に近く、次回の東海地震では被害が出なくても、数百年のうちには何度も東海地震が起こることになるのですから、新首都が大きな被害を受けないとは限りません。

三重・畿央地域は、周辺に火山は1つもありません。海溝型地震については、東海地震や東南海地震の震源からは十分に離れています。直下型の活断層は、今後800年間以上は活動しないという研究結果がすでに発表されています。

このように、数百年単位の大きなスパンで考える時、首都機能の移転先は、三重・畿央地域を選択する以外には考えられないでしょう。


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