東京から便利すぎてはいけない

1999年10月09日

by FUJI

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報道によりますと十八項目の選定基準のうち「東京とのアクセス容易性」の評価基準を東京駅まで鉄道を使った場合の所要時間で行うことが決定したとの由。

この点、この項目は、所要時間が短ければ短い方がいい、という風に「誤解」されることのないようにされたいと思います。

あまりに、東京とのアクセスが容易であれば、結局「東京の飛び地」をつくるだけで、なんのための首都機能移転か、分からなくなってしまいます。

「東京とのアクセス容易性」は移転初期段階のみの問題であり、さほど大きなウェイトが置かれる問題ではないこと、むしろ、大きなウェイトを置くことは、東京一極集中是正:多極分散型国土構造への転換という、首都機能移転の最大の目的を大幅に減殺してしまう致命的なマイナス面があることを是非とも評価にあたっては認識されますよう希望します。

さらに言えば、東京は移転後、「自立した世界都市」にならなければならない使命・責任を日本国全体に対して負っているのです。

なるべく、東京から遠いところ:東京からのアクセスが便利すぎるところは外して、候補地を絞り込むようにする方が、東京のためにもよろしいかと思います。

交通アクセスに関しては、首都機能移転の国民的合意を得るためにも、「東京とのアクセス容易性」よりも、「全国からのアクセス容易性」に前者の数倍のウェイトが置かれなければならないと考えます。

以上の点、最終候補地絞り込みにあたって是非ともご留意願いたい、と思います。

日本は東西に長い国です。国土の一方に偏った位置に移転候補地をおくことは、国民的合意なしには決して実現しない移転計画自体を確実に、100%、間違いなく、ひっくり返す結果になってしまうことに十分ご留意いただきたいと思います。

(国土の中央以外への移転でも東京に首都機能を存置するよりは、ずっとマシだとは個人的は思ってますが、移転計画自体がひっくり返れば元も子もないのです。私はこの点を一番危惧しています。)


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