なぜ畿央でなければならないのか

1998年12月27日 (1999年09月01日改訂)

by OUTSIDE

ホーム > 畿央への提言 >

首都機能の移転先は畿央でなければなりません。なぜ畿央でなければならないのでしょうか。ここでは3つの理由を述べます。

1.畿央は日本の真ん中である

 現在の首都である東京は、東により過ぎています。新しい首都は、日本の真ん中に置くべきです。その日本の真ん中こそが、畿央なのです。では、なぜ畿央は日本の真ん中であり、首都が日本の真ん中にないといけないのでしょうか。

 第1に、畿央は地理的に真ん中であると言えます。日本地図を縦に2つに折ってみてください。その折り目の真ん中にあたるのが、畿央なのです。畿央を中心に円を描いてみると、北海道から沖縄本島までがちょうど入ります。地理的に真ん中であることで、全国各地からの移動距離や交通費の平均を、最も少なくすることができます。人口重心からも近い位置にあります。

 第2に、畿央は文化的に真ん中であると言えます。丸もちと角もち、アホとバカ・タワケ、ウナギの割き方、東西のアクセントの違いなど、日本の文化は東西で大きく2分されています。この東日本と西日本の文化は、関ケ原で別れていると言われています。この東西文化の境界線を南に延長していくと、鈴鹿山脈から布引山地と続き、この境界線は、畿央地域の東の境界と一致します(三重・畿央地域のど真ん中を通ります)。文化的に真ん中であることで、東と西の文化の接点として、地域に偏らない首都としてふさわしい多様な文化を発信することができます。

 第3に、畿央は行政面で真ん中であると言えます。畿央地域の東には24都道県、西には23府県があり、まさに日本の真ん中であります。また、畿央は東海・北陸地方と、近畿地方の境界線上に位置しています。行政面で真ん中であることで、地域に偏らない、政治・行政を行うことができます。

 第4に、畿央は経済的に真ん中であると言えます。畿央は、東京を中心とする東日本経済と、大阪を中心とする西日本経済の境界上にあると言えます。さらに畿央は、近畿経済圏と中部経済圏を合わた大経済圏の真ん中にあり、結束点に当たります。経済的に真ん中であることで、中部と近畿、東日本と西日本の経済力を活用できる一方、全国に広がる、公平で広域的な経済効果をもたらすことができるのです。一方、北東・中部地域は東によりすぎているため、その経済効果は東日本だけで終わってしまいます。

 第5に、畿央は交通的に真ん中であるといえます。中央新幹線は畿央地域のど真ん中を走ります。高速道路でのアクセスは、名神高速、第2名神、東名阪・名阪国道・西名阪と、完全に3重化されています。さらに、3つの国土軸が交わるところで、全国からの交通網が集中し、全国各地からのアクセスが便利なのです。一方、北東地域は明らかに東すぎますので、西日本からの交通アクセスに問題があります。東海地域は日本海側からのアクセスと、交通アクセスの多重化に難点があります。

 真ん中であるということは、国土の均衡化にとって重要な要素となります。新しい首都は、日本の真ん中の、畿央である必要があるのです。

2.畿央は高度な文化の発信地となる

 新しい首都は日本の中心として、日本全国だけでなく、世界各地への、高度な文化の発信地でもある必要が求められます。畿央は昔から、日本を代表し世界もに広く知られている、歴史ある高度な文化をはぐくんでいる地域なのです。

 松尾芭蕉をはじめとして、観阿弥世阿弥、横光利一、江戸川乱歩など、畿央は日本を代表する多くの文化人を生みだしています。また、信楽焼や伊賀焼き、伊賀の組み紐などの伝統文化を有しています。畿央の豊かな自然と風土が、豊かな文化をはぐくむのです。同時に畿央は、伊賀と甲賀に代表される、忍者のふるさとでもあります。このように、畿央は日本全国だけでなく、世界各地に、高度で独自の文化を発信できる地域なのです。

 もちろん畿央は、周囲を京都と奈良の世界遺産をはじめ、飛鳥や伊勢といった高度な歴史と文化に囲まれていることは、言うまでもありません。

3.特別行政区は畿央にしかできない

 新しい首都地域は、今までの府県から分離して、特別行政区となるべきです。しかし、分離独立には様々な障害があり、これらすべての障害を克服できるのは、畿央しかないのです。

 今までの県からの分離独立にあたり、旧来の県からの反対が予想されます。これは、ほとんどの県が、主に我田引都の精神で首都の誘致をすすめてきたからです。首都が移転しても、県から分離されては、首都を誘致した意味がありません。

 しかし、畿央は、官主体でなく、民主体で誘致運動が始まったことで分かるように、我田引都ではなく、日本にとって最適な首都をつくるという精神で誘致をすすめてきました。そのため、畿央は分離独立問題でも、旧来の府県からの反対が少なく、スムーズに分離独立を行うことができます。

 分離独立には、住民の反対も予想されます。畿央地域の大部分を占める三重県伊賀地方は、三重県でありながら、長い間三重県政から見放されてきた地域でもあり、昔から伊賀地域を三重県から分離して、奈良県に併合しようとする運動もありました。このように、畿央は住民の反対が少なく、分離独立をスムーズに行うことができるのです。

このように、首都機能移転の適地は、畿央以外に考えられないのです。


畿央への提言に戻る